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ヘッド patter head

ヘッドの形状

タイプ 長所 短所 使用選手
L型 ミスの許容範囲が広い  

B.ジョーンズ、ジャック・ニクラス、ベン・クレンショウ、ミケルソン

ピンアンサー形
(トゥアンドヒールバランス)
慣性モーメントが大きい   セベ・バレステロス、T・ウッズ
マレット 重心深度が深い 芯に当てづらい  
キャッシュイン フェースが開きにくい 慣性モーメントが小さい ジョニー・ミラー

L型 ピンアンサー形 マレット キャッシュイン

最先端パター

いつの世も、伝統に対して革新をうたい文句にしたパターが次々とあらわれてきます。そして、多くは姿を消した。 だが、何がどう転ぶかわかりません。ピン・アンサーでさえ、当時は多くのゴルファーの目に「奇妙な形」に映りました。 ところがその後「ワケのある形」であることが証明され、パターの主流になりました。そこで最近の新形状といわれるモデルを集めてみました。

革新=深い重心深度

●トンカチ型=代表モデル・ファストレーン ジリオン

トンカチを思わせるような形状から想像できるように、重心深度が深いのが特徴。通常、クラブやパターを振るような動作では、無意識に、インパクトでシャフトの延長線上にヘッドの重心をもってこようとします。このとき、重心深度が深いほうが動きがスムーズになります。

ダウンスウィングからフォロースルーにかけてヘッドがうまく出ない人向きです。

視覚的にも重心位置的にもストロークしやすい

●残像効果型=代表モデル・ホワイトホット2-ボール

アニカ・ソレンスタム、宮里藍など、女子プロに人気のあるパター。

アドレスではボールが3個一直線に並んでいるように見えるため、軌道をイメージしやすく、テークバックからダウンスウィング、フォロースルーにかけてストレートに出しやすい。クロスハンドグリップの場合は時に、より低くストレートなスウィングスルーが可能になるだろう。また、重心深度が深いのでダウンスウィングでヘッドの動きがスムーズになるメリットもある。

ハンドファーストにすっきりと構えやすい

●スラントネック型=代表モデル・コパースティックスS-1

ピン・アンサーに代表される通常のカギ型ネックは、途中で一度水平方向に曲がり、さらにシャフト穴の部分で上に曲がっている。ところがこのモデルは、ネックがヘッドから斜めに立ち上がっていて、シャフト穴の部分でしか曲がっていないのが特徴だ。一般的にはスラントネックと呼ばれる形状で、視覚的にネックがじゃまにならず、ハンドファーストに構えやすいのがメリットである。

革新=高重心

●ネック付きマレット型=代表モデル・ベティナルディMC360M

マレット型の場合、ネックがなく、ヘッドに直接シャフトを差しているのが普通だが、このモデルはマレット型でありながらカギ型のネックがついているのが大きな特徴だ。ネックがついていないモデルの場合、ライやロフトの調整が難しいが、カギ型ネックなら調整しやすいし、シャフト交換も容易である。さらに重心も高くなるというのもメリットだろう。

ライ、ロフトの調整が可能で、高重心にも

ヒットしやすいが、意外にもミスには弱い!?

●センターシャフト型=代表モデル・ホワイトホット#5

シャフトがブレードのセンターについているのが特徴。しかもフェースがほぼシャフトの延長線上にあるので、自然にヒットしやすい。そのため、一般的にはイップスに有効とされるている。ただし、このようなセンターシャフトのタイプはシャフト軸回りの慣性モーメントが小さいので、トウやヒールに外すとフェースの向きが変わりやすい。きちんと芯でミートできる人向きだ。

重心高さ

「ボールの半径」 マイナス 「ソールを浮かす量」が理想の重心位置

パッティングでは、ボールの真横をパターヘッドの重心(フェース上の重心)でヒットした時、転がりがもっともよくなる。要するにエネルギーのロスが最小限に抑えられるわけで、重心よりも下や上に外すと転がりは確実に悪くなってしまう。

ただし、下と上とでは多少違いがある。同じ外すとしても、重心より上に外すとロフトが多くなる方向なので、転がりは極端に悪くなる。これに比べて下でヒットした場合、ロフトが立つ方向となり、重心でヒットしたときよりは転がりは悪くなるけれど、上よりは影響は少ない。

さて、ではどうしたら常に重心点でヒットできるかだが、それはインパクトでどのくらいヘッドを浮かせるかで決まってくる。グリーン上ではボールは若干沈んでいるが、それを無視すれば、ボールの真横は地面から約21ミリの高さになる。一方、インパクトゾーンではだれでもパターのソールを芝面から5ミリ程度浮かすから、重心がソールから16〜17ミリのところにあればジャストミートできる計算になる。

図左
ボールの真横を重心で打つのが理想(上)。
重心より下ならまずまずの転がりを得られる(中)。
上に外すとロフトが多くなる方向にヘッドが回転するので、転がりが極端に悪くなる。それを防ぐためにも、重心は高めがいい

図右
ネックが長いか短いかで重心の高さは大きく変わる。高重心を求めるのなら太くて長いネックのモデルが手っ取り早い


ところが、多くのパターはこれよりも低重心だ。初期のピン・アンサーなどはピタリ17ミリ前後で、これが転がりがいいといわれる理由となっているのだろうが、普通は14〜15ミリのモデルがほとんどである。もちろん、ソールを6〜7ミリ浮かせればいいのだが、一般的には、どうしても重心より上に当たりやすい。

プロたちは、このことを経験的に知っていて、たとえば極端にアッパーブローに打つ人の場合、インパクトではソールが浮く量が自然と多くなり、低重心でもジャストミートしやすい。

青木功プロなどにしてもそうだ。いろいろなパターを使うようになった現在はそれほどでもないが、以前は極端にトウを浮かせていた。そうすれば重心が低いパターでも、重心点でボールの真横をヒットできる。だから「ダフっても転がりがいい」といわれたのである。


ヒール側はダフっているように見えても、トウ側を浮かせているのでボールの芯とパターの芯が一致しているわけで、経験的に身につけた技としかいいようがない。

一般的には、ソールを浮かせる量で調整するのは難しいので、自分が普段どのくらい浮かせているかを見きわめ、それに合った重心高さのパターを選ぶのがいいだろう。

青木のトウを浮かすスタイルは、重心でボールをヒットするための工夫でもある

重心深度

深重心ほど高重心に。 フォローを出しやすいメリットも

パターは、形状的にいえばピン・アンサーに代表されるトウ&ヒールバランス型が主流だ。しかしマレット型も根強い人気があり、一頃よりもむしろ多くなった。

マレット型は一般にフェースの高さ自体低めで、ネックのないものが多い。それだけ重心が低く、重心高さの項で触れたことからいえば難しいはずだ。

にもかかわらず人気が衰えないのは、重心深度に理由がある。パターにもロフトがあるため、重心深度が深ければフェース面上のスウィートスポットの位置は高めになるので、フェースの高さが低いわりにはスポットでヒットしやすくなる。

マレット型のメリットは重心深度の深さにある。深度が深ければスムーズにフォローを出せるメリットがある

また深度が深いと慣性モーメントも多少は大きくなり、ミスの度合いも軽減される。このあたりが、マレット型の根強い人気につながっているのだろう。

また、重心深度が深いとフォローを出しやすいというメリットがある。これは深度が深いほどダウンで重心がシャフトの延長上に来ようとする力が大きくなるためだ。その結果、自然とヘッドがスムーズに出やすくなる。そのあたりもマレット型のメリットといえる。

ストローク中、重心はシャフトの延長上に位置しようとする。そのためダウンではヘッドが前に出やすく、ボールを押すイメージが持てる

ロフト

ハンドファーストのインパクトで ロフト0度になるのが理想

パターのロフトは設計値では2〜4度というのが普通で、ロフトがついているのは、パターはハンドファーストに打つのが絶対条件という前提に立って設計されているためだ。

理論的には、インパクトではロフトが0度の状態の時、もっとも安定する。だからといってリアルロフトを0度にすれば、ハンドファーストにしたときは逆ロフトのようになってしまう。2〜4度のロフトがついていてはじめて、インパクトでは0度の状態になるのである。

トウを浮かして構えるとフェースは左を向く。ロフトが多いとたらに左へ出やすくなる

したがって、グリーンの状態にもよるけれど、ロフトはそれぞれのハンドファーストの度合いによって決めるべきである。

パターのロフトの大小は、方向性にも大きな影響をおよぼす。一般的には、ロフトが少ないほど右に出やすいし、逆に多いほど左に出やすくなる。

特にほとんどのゴルファーはトウを浮かせて構えるので、そのためにますますフェースが左を向いてしまう。

もちろん、アドレスではトウを浮かせてもインパクトではスクェアにヒットする人もいるが、どうしても左に出やすい、あるいは右に出やすいという人は、ロフトをチェックしてみる必要もある。

ミケルソンはかなりハンドファーストに打つので7度。デュバルはややアッパーに打つので3度のロフトを使用

ヘッド重量

重ければ転がりがいいし、 ストロートも小さくてすむ

パターのヘッドは、80年代の半ば頃まではほとんどが310グラム前後だった。ところが最近では340〜350グラム程度になっている。このようにヘッド重量がどんどん重くなったのは、そのほうが慣性モーメントが大きくなるし、転がりもよくなることをみんなが経験的にわかってきたことによるものだ。

単純にいえば、ヘッドを重くして軽いカーボンシャフトをつけると転がりだけはよくなる。ただし、シャフトを軽くするとダウンスウィングで意図に反して加速してしまったりしてストロークが不安定になりやすい。

そのためシャフト重量はそのままにヘッドだけ重くなってきたのだが、こうしたことからいえば、360グラムくらいまで重くなるのはそう遠くはないだろう。

ヘッドを重くできるのもシャフトを短くすることのメリット。高速グリーン対策だ

最近より30グラム前後もヘッド重量が軽かったころは、鉛をベッタリ貼るプロが多かった

日本のプロの間では最近、短めのパターが話題になっているようだが、短くすればヘッド重量をもっと重くできる。重くすれば転がりがよくなるので小さなストロークで打てるし、その分安定性も高くなる。特にスピードの速いグリーンなどではそのメリットが大きい。

短いパターが話題になるのは、おそらくこうしたことも影響しているのではないか。

慣性モーメント

樹脂インサートは 重量周辺配分効果も大きい

ヘッドの慣性モーメントとは正確にいえば重心回りの慣性モーメントのことで、これが大きいほど方向安定性はよくなる。もうよく知られているように、これを最初に形にしたのが、ヘッドの重量をトウ側とヒール側に集中的に配分したピン・アンサーである。

慣性モーメントが大きいことのメリットはその後だれもが認めることとなり、パターの主流になってきたが、近年では樹脂のインサートが登場したことで、慣性モーメントはより大きくなった。たとえばフェース面に樹脂を使ったモデルや、ネバーコンプロマイズのようにヘッドの中央部分に樹脂を使ったモデルだ。これらはトウ・ヒールへの重量配分率が一層高まって慣性モーメントがより大きくなっている。

逆に、キャッシュインタイプがほとんど姿を消してしまったのも、これで説明できる。ヘッドが小さい上に、ネックが真ん中付近から立ち上がっているため、中央部分が重くなっていて、見るからに慣性モーメントが小さい。ゴルファーたちも経験的にそのことがわかってきたのだろう。

4218gcm2
インサートの比重が軽いために慣性モーメントも大きい
3823gcm2
初期のピン。ミスに強いことが高く評価された
2444gcm2
慣性モーメントの値の差がやさしさの差ともなる

素材

パターのヘッド素材としては、軟鉄やステンレス、銅合金、アルミ合金などが使われています。またフェースインサートにしても、金属や樹脂などがあります。でも、素材がボールの転がりに影響することはありません。転がりは素材ではなく、主に重心特性やヘッド重量などに影響されます。

もともと打球感をソフトにするためにインサートつきが開発されたことからもわかるように、ヘッドやフェースインサートの素材が影響するのは打球感です。しかし、インサートでも金属どうしではほとんど差はないが、樹脂の場合はそれぞれに微妙な打球感の違いがあります。最近では人工関節に使われている樹脂をインサートに採用したモデルなどもあります。 ヘッド素材の場合、素材そのものよりもその色によって打球感をイメージしやすいです。

この部分は、フィーリングなので好きなものを選べばいいのです。

フェイス素材

軟らかければ転がりが、 軽ければ慣性モーメントが向上

パターのフェースの素材は大きく分けると金属系と樹脂系とがある。そして普通、打球感としては金属系のほうが硬く、樹脂系のほうが軟らかいが、この打球感もボールの転がりに影響する。

というのもたとえば、打球感が硬く感じる金属系の場合、どうしてもインパクトで手の動きが止まりやすい。そのことが頭の中にインプットされているために、パターヘッドを動かし続けようとするのだが、「パチン」と当たるとどうしても、その瞬間にヘッドが減速しやすい。

打面が硬いか軟らかいかはインパクトの衝撃の大小を決め、その感触がヘッドの減速量を左右する

これに対して樹脂系のフェースの場合はインパクトの衝撃が小さいので、ヘッドをそのまま前に出しやすい。減速量が小さいために、ボールの転がりもよくなるのだ。

ただしこれはあくまでも、金属系と樹脂系くらいの違いがある場合で、金属系の中では、軟鉄だろうとステンレスだろうと銅合金だろうとほとんど影響はない。

なお樹脂系は比重が1.8程度で、金属よりもはるかに軽い。そのため、フェースに使うことで重量をトウとヒールに分散させたり、重心深度を深くしたりといったことがしやすく、それが転がりに及ぼす影響もかなりある。

スリー・ピース・パターの利点は何ですか?

スリー・ピースにすることにより、ヘッドの90%のウェイトをヒールとトゥに配分させることができます。この独自の設計によって、究極の正確さ、寛大さ、打感、そして距離コントロールが可能になります。ヘッドの中心部にわずか10%と、ヒールとトゥに90%のウェイトを配分することにより、中心を外してヒットしても、ヘッドがよじれることはありません。

スクェアに構えやすいパター

スクェアに構えられるパターなら、自分がこの方向に転がるだろうと思ってアドレスし、そして打ったときに、そのとおりの方向に転がってくれる。それは信頼感といってもいいだろう。だが現実には、これで真っすぐと思ってアドレスしても、そのとおりには転がらないことが多い。

その最大の原因は、アドレスでトウ側をやや浮かせてセットする人が圧倒的に多いことだ。要するに設計ライ角よりもフラットに構えているわけで、パターにもロフトがあるので、これではフェースが左を向いてしまう。

したがって、パターのライ角どおりに構えるのが一番いいのだが、たとえばプロギアのスロープパターのようなモデルは、そうしたアドレスをしやすくする効果は期待できる。アイアンのようにブレードのトウ側が高くなっているので、トウ側を浮かせずに構えられ、フェースの向きをスクェアにセットしやすいというメリットはあるだろう。



プロギアのスロープパターはトップブレードに傾斜をつけてトウ側を高くしている。構えたときにアップライトに見えるから、トウを浮かせずに構えられ、フェースをスクェアにストロークしやすい

 

 

 

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